アメリカの大統領選挙でオバマ大統領が再選された。
それにしてもアメリカの大統領選挙の当選が決まるまでの選挙方法は難しい。
単純に多数決! とはいかないんだもん。
アメリカ人って単純なはずなのに!
州ごとの選挙人獲得数だとか、予備選挙だとか。。。
大統領選挙時に行われた上・下院の選挙では、大統領選とは違った結果がもたらされた。
米大統領選と同時に連邦議会の上下両院選は開票され、上院(定数100、改選33)は過半数維持を目指す民主党が激戦州の一部を制したという。下院(定数435)は共和党が過半数を維持し、両院のねじれが続く。
ううむ、これがアメリカ国民の政治的なバランス感覚というものなのか!
日本の衆参のねじれとはちがい、明らかにそうしたねじれを期待した投票行動をしている、と思える。上下院選挙も、大統領選挙と同じ日の選挙ですもんね!
大統領選、そして(議長を副大統領が務めるなど下院と比べて強い権限を持つ)上院の改選では民主党に、そして下院の議席の過半数を共和党に託すとの結果。
これもアメリカ人の政治的なバランス感覚だとさえ思える。
今回の大統領選挙では、オバマケアと呼ばれる医療制度改革が大きな争点のひとつに挙げられた。 テレビのインタビューでも、医療保険制度改革(オバマケア)はアメリカの建国の精神に反する、と答える市民が多数いた。また、それとは逆に未加入者のセイフティネットしての公的医療保険の整備が必要だ、と訴える市民もいた。
米国には、公的医療保険制度として高齢者・障害者向けのメディケアと、低所得者向けのメディケードがあるものの、日本のように国民皆保険制度はない。これまでの医療制度は、同盟国でありながらも両国間で真逆の様相を呈している。
国民は本来、民間の医療保険に加入するが、保険料が高額なため国民の6人に一人が無保険者となっているのが現状、だという。
アメリカの医療費の高さは、先進技術だけではない。
訴訟がビジネスになる社会構造もその要因の一つ。
現にアメリカでは、1980年代に驚くべきほど多くの医療機関が倒産したという。
それだけ医療訴訟が頻発していた表れでもある。
もちろん、技術料や薬剤料などのほかに、かなりの訴訟対策費が上乗せされて医療費が請求されていることも見逃せない。 長い期間アメリカに滞在した日本人は、その医療費の高さにビックリする(@_@;)
ここまで医療費が増大し深刻な社会問題となりつつあることから、オバマ政権は医療保険制度改革を内政の最重要事項として位置づけ、2010年3月に医療保険制度改革法は成立された。
ここで思い出した講演がある。
アメリカで数カ月以上にわたり医療制度を取材したことがあるという、読売新聞記者の講演会を南陽で聴いたとき。。
アメリカ全土で毎年約4万人以上が、緊急で救急車が必要なのに搬送することができずに亡くなっている、という事実。
アメリカでは救急車1回の出動で、約500ドル程度が後日請求されてくるという。
ちなみに日本でも東京都で救急車の出動は、1回あたり約45,000円程度だというから、アメリカでも日本でもほぼ同じくらいの額が、救急車出動にコストとして掛かっている。
アメリカの国民的なコンセンサスとして、救急車を「税で運営させる」より「依頼した受益者の個人負担」ということが背景にあるという。
まさに個人主義アメリカ!
救急車に出動要請しない(できない)例も、アメリカの個人主義を象徴しているのか!
選挙後もアメリカの医療制度改革には、大いに注目していきたい。
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